トランプ氏大統領令連発へ　「米国復活」非常事態宣言

トランプ米大統領は20日の就任演説で、バイデン前政権の4年間で米国は衰退したと批判し「今日から全てが変わる。米国の完全な復活と常識の革命が始まる」と述べた。不法移民の流入阻止に向け国境に関する国家非常事態を宣言し、多数の大統領令に署名すると表明。経済再生と領土拡張に意欲を示し、政策を大幅に転換させた。

　演説でトランプ氏は「不法移民の入国を直ちに止め、多くの外国人犯罪者を送り返す。軍を使って侵略を撃退する」と主張した。国境関連の大統領令10本に署名し、軍や国境警備隊を派遣して「壁」建設を推進する。近く不法移民の強制送還に乗り出し、移民に関する犯罪組織を国際テロ組織に指定する考えだ。

　「米国民を豊かにするため関税を課す」と宣言し、記録的なインフレも終わらせると語った。エネルギー分野でも国家非常事態を宣言し、化石燃料を増産するとした。

　「米国は領土を拡大し、新たな地平線に米国の旗を掲げる」とも主張。「中国がパナマ運河を運営している」と訴え、運河の管理権を取り戻すと宣言した。メキシコ湾を「アメリカ湾」に改称するとした。